真備町が水没

 平成30年西日本豪雨では,高梁川支流の小田川水系が氾濫し,真備町全域が水没する大災害となりました.
 水害による死者52人,特に、末政川と高馬川の間に位置し、浸水深が深い有井地区、箭田地区で死者が多く発生したとのことです.

Yomiuri Online (https://www.youtube.com/watch?v=AattIv9JEb0)

亡くなられた方の年齢別では、70代以上の高齢者が約80%と著しく集中しています.

国土交通省「大規模広域豪雨を踏まえた水災害対策検討小委員会」平成30年7月豪雨における被害等の概要

雨量の推移

 平成30年西日本豪雨における倉敷市真備町の洪水についていくつかの角度から調べてみます.まず,雨量ですが,次のグラフを見てください.

 降水量の1時間グラフの倉敷とその上流の高梁では,高梁のほうがよく降っていますがどちらも極めて高いというものではなくせいぜい25ミリ程度です.総降水量は倉敷275ミリ,高梁334ミリ.小田川が決壊したのは7日の0時ころでした.
真備記念病院のところの地盤高さは標高約11mです.ここでの浸水深さは3.28mでしたので水は標高14m以上まで達したということになりますがそうするとここの平野部がほとんどその高さ以下です.(河川敷の標高は約10m.土手背後の道路の標高は約15~16m程度で天井川となっている)ハザードマップもそのことを想定してあって広い浸水域となっています. 1時間値が極端に上がらなくても,河川の場合は要注意である,ということですね.

浸水域と地形

 浸水した地域の情報について,地形的に見ていきます.国土地理院では,この災害の特別なサイト「平成30年7月豪雨に関する情報」を開いています.このページの「推定浸水範囲」の「岡山県倉敷市真備町の推定浸水範囲の変化」を「地理院地図による閲覧」で見ることによって地理院地図の様々な機能もあわせて使うことができます.例えば次の図は,その図に断面図を重ねたものです.(下の地図をクリックすると浸水図が開きます.断面図は地理院地図の機能でその地図上で描くことができます.)北側は高くなっていますが川のすぐ北の地域は低い平野になっていることがわかります.

 この地理院地図の機能で「情報」の中に「起伏を示した地図」→「自分で色別標高図を作る」という機能があります.浸水区域は標高10mから15mの場所なのでそれを1mごとに色別にして浸水範囲と重ねてみます.16m以上の高さは同じ色にし,それ以下は1mごとの色分けしました.浸水域の外側が緑と橙色の線で示されていますが,標高15mの区域とほぼ重なることがわかります.(この標高色分けデータはここから入手できます(右クリックして「リンク先を保存」)ので上記の図に重ねることができます.)

地理院地図で作画

 

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