防災落語

親しみやすい落語も防災を学ぶ入り口になります。

平成30年3月25日に東二見みなと記念ホールで開催された東二見5町委員会の防災ベントでの三名あたしさんの口演をYoutubeで見ることができます。

当日は時間の関係で少し省略されましたが、台本もここからみることができます。

またぼうさいこくたい2022でも新作が披露されました。
ぼうさいこくたい2022出展レポート(4)防災落語
イベントでやってほしいとか、自分で演じてみようという方はご一報ください。また、ご自作の台本がありましたら下記にご提供いただけますとありがたいです。

ota-toshikazu@bosailiteracy.org

【追記】 「ケヘル先生こんにちは」でのテーマである緊急地震速報の到達時間について解説しておきます. P波の速度をVp,S波の速度をVs,それぞれの到達時間をTp,Ts,震源までの距離をLとすると

  Tp=L/Vp

  Ts=L/Vs    

 P波到着後,S波が来るまでの時間は

  Ts-Tp=L(1/Vs-1/Vp)

この式に具体的な数字を入れてみましょう.実際にはこの速度は地震波が通過する岩盤の種類によって幅を持っていますが,とりあえず気象庁が緊急地震速報のページで明示している数字,Vp =7km/ s,Vs =4km,を使っておきます.

 Ts-Tp=L(1/4-1/7)=L×0.147

 ここで南海トラフから200km離れた点でのP波とS波の時間差を計算すると,上の式のLに200を入れて,約29秒となります.この計算は,感知する場所を遠隔地にしているのですが,より近い点でP波を感知できたら,実際にはもっと長い時間をかせげます.もし震源地で感知できたらS波は震源から50秒で到達するので50秒マイナス処理時間ということになります.実際には,震源地は深い海の中(注1)ですし,ある程度の地震観測データが必要なので,例えば100km地点でP波を感知した時点で発するとしたら,その時点で感知までに15秒を使っていることになります.その後,伝達のための処理に時間がかかるので,緊急地震速報が鳴ってから,大きな揺れが来るのはけっきょく20秒くらいしかありません.
緊急地震速報は,距離が近いと大きな揺れが来たあとになるようなこともあります.2018年に大阪北部地震がありましたが,この震源地から私の家までは約60kmです.このときにわが家では緊急地震速報が鳴り響いたのと同時に揺れました.この程度の距離では緊急地震速報は残念ながら役にたちません.
もう一つ注意しなければならないことは,南海トラフ地震の場合,震源面が四国沖に平行して陸側に傾斜して入り込んでいることから,震源までの距離はもっと近い可能性があり,実際には20秒よりももっと短いかもしれません.これらのことを念頭に,緊急地震速報のことを考えておくことが重要です.

(注1)海底にはDONETというシステムとして,すでに南海トラフ沖に海底地震計が設置されていて運用されています.