日本で最も低い分水嶺:水分かれ

 兵庫県丹波市氷上町に「水分かれ(みわかれ)」という場所があります.ここは日本一低い中央分水界として有名です.

 ここには,水分かれ公園や氷上回廊水分かれフィールドミュージアムという記念館もあります.

 この水分かれ付近の標高を「地図で防災4」で紹介した地理院地図の「自分で作る標高図」で色分けしてみました.ピンクの球体ポイントが水分かれ公園の場所です.

 これで見ると,水分かれ付近で北に由良川水系へ,南に加古川水系へ流れる分水界であることがよくわかります.

 上図をクリックすると地理院地図が開きます.地理院地図でマークの地点の標高が左下の矢印のところに表示されています.標高を見ると,この水分かれ付近の標高はおよそ100mくらいであることがわかります.

 また,選択中の地図の「自分で作る色別標高図」の文字の右の「」マークを押すと,色パターンが表示され,その中の「スタイル変更」を押すと上図にもある色分けの凡例があらわれます.なお,この色パターンは左から2つ目のアイコンで保存できます.今回のパターンテキストはここから入手できます.いろいろ,変えてためしてみてください.

ナウマンゾウも歩いた氷上回廊

 この標高図を縮尺を大きくして,広いエリアを表示したら下図になります.すると,日本海から瀬戸内海までの標高が比較的低い回廊が浮かび上がりました.これを「氷上回廊」といって,生物の移動してきた道として知られています.

 今から2万年前くらいの日本列島は,朝鮮半島から対馬を経て九州までが陸続きであったと考えられています.

18000年前の日本列島(九州森林管理局)

 そして,この回廊には大陸からナウマンゾウがやってきた痕跡もあるとのことです.大陸からやってきたナウマンゾウがこの回廊を歩いて瀬戸内海にも移動したという根拠もあるようです.(『ナウマンゾウと「氷上回廊」 ダイナミックな旧石器時代の物語』丹波新聞)壮大な歴史のロマンを感じさせる場所ですね.