2018年9月6日の北海道胆振東部地震では札幌市の清田区で大規模な液状化が発生しました。2週間後の21日に行われた「2018年9月6日に発生した北海道胆振東部地震の被害調査速報会」の報告からポイントを見てみます。
この場所を今昔マップのサイトを利用して昔の地図と比較してみます.
左の古い地図の等高線を見るとけっこう昔は起伏があった土地であったこと,そして,公園から北東方向に谷筋(小さい川)であったことがわかります。中央ポプラ公園に赤丸を入れています。また点線は被害がテレビに出ていた場所です。
土質区分は火山岩類となっています。この土を現地で切り盛りして今の地盤が形成されていると考えてよいと思います。
この公園で東北ー西南と西北ー東南の各断面を取ってみるとその部分がちょうど窪地になっていることがわかります。
この液状化による沈下や土砂堆積のあった場所は下記のとおりです.これらは,低い地盤を埋め立てた場所に沿って発生したことがわかります.
重ねるハザードマップで大規模盛土の場所が見られるようになりました。これによると盛土区域がはっきりわかります。(中心+位置付近が被害が大きかったエリア)
そこで、この地図と地盤変状のあったエリアを重ねてみます。土木学会地震工学委員会の清田・石川らの報告では下図が示されています。
そこで、まず、上図を下地を透明化してから、Google Earth上でイメージオーバーレイとして位置合わせしました。(このとき作成したイメージオーバーレイ.kmlをここからダウンロードできます。Google Earthにドロップしてみてください。)イメージオーバーレイをGoogle Earthで開いたものが下図です。
この位置関係を参考に、Google Earthの作図機能で地盤変状の大きいエリアの包括ラインのポリゴン(赤色)と、青い線のパスの青線(河川暗渠)を作成しkmlで保存しました(ポリゴンと青線のkmlは右クリックで保存できます)。そのkmlデータを重ねるハザードマップ上に展開しました。青線はおそらくこの新しい盛土された地域の昔からの谷筋でもあると思われます。被害エリアは、このラインに沿って広がっていることがわかります。(この部分2022年8月11日、9月7日加筆)
また、上記の里塚の被害エリアと暗渠のkmlを地理院地図の標高を色分けした地図に表示すると下図のようになって(ピンクが被害エリア、青の点線が暗渠)、その街が谷沿いに作られたことがわかります。(この部分2023年9月6日加筆)