2019年8月26日から28日にかけての豪雨災害で,長崎自動車道武雄ジャンクションで路面が褶曲するということが発生しました.
 国際航業がその写真を公開しています.山の中腹に亀裂が入っていて,これを見ると,原因がその背後の斜面のズレによるものであることがわかります.

No.15
No.14

 場所は,佐賀県武雄市東川登町大字袴野(33.147258,129.998311)地点です.地点マーカーのkmlファイルをここからダウンロードできます.

 この場所で断面図を取ってみると,すぐ背後はそんなに勾配が急なわけではありません.矢印部分が道路との境界です.

 また,日本シームレス地質図では,山体本体は火成岩,その前に海生の砂岩が貼りついているような構造です.上記の傾斜が緩やかな部分は海生層砂岩であると思われます.


 このようなことを総合すると,海生層砂岩と岩体の間に豪雨で帯水層ができ,前にずれたのではないかと推察しますが,詳しい報告を待ちたいと思います.

(2019年9月4日追記)
 西日本高速道路株式会社は,2019年9月3日に,第1回長崎自動車道 武雄 JCT のり面災害に関する技術検討委員会を開催し,結果概要を発表しました.以下の通り地すべりが発生したという見解です.

1. 被災の状況
○山肌の樹木が区切れている、縦約170m、横約60mの範囲において地すべりが発生。 路面が最大1m程度隆起し、側方に2m程度移動。
○すべり面は、高速道路の本線部で舗装表面から約6m下方にある地質境界であると考えられる。
2. 原因
○異常降雨(時間最大50mm、連続雨量261mm(路面隆起の発見時))により、 支持層となる砂岩の上にある風化した凝灰角礫岩に雨水が浸透し、急激な地下水位の上昇および地盤の強度低下が生じ、地すべりが発生したものと推定される。

 → 2019年8月九州北部で豪雨 佐賀県大町での災害について