平成30年西日本豪雨での篠原台の災害-3

避難者数の推移

避難者数の推移を神戸市災害警戒本部発表の資料から見てみます.

7月   5日8時15分には避難者が成徳小学校に 1世帯1人
5日夜22時15分 8か所 18人
6日夜22時 7か所 36人
7日8時 13か所171人
7日20時 13か所 135人
8日12時 6か所 54人
8日21時 3か所 47人
9日13時 3か所 24人
8月  3日 神戸大学人間発達環境学研究科避難所閉鎖
(神戸市災害警戒本部(1~38報)により作成)

また,この間,神戸大学の人間発達環境研究科および王子SCの避難者には銭湯の利用提供がされました.
住まいについても,29戸に市営住宅が提供されました.

このように実際に災害が起きてから避難者が急増していますが,避難勧告はどのように出されるものでしょうか.次の図は,5日10時に出された避難勧告です.

このような出され方をするのが一般的です.そうすると,自分の家が,「土砂災害警戒区域」にあるのかどうかを知っていることが大前提になります.灘区篠原台の土砂警戒区域は次の図のようになっています.

この図の中央部が篠原台で,かなりのエリアが土砂警戒区域内であることがわかります.しかし,神戸新聞社の調べでは自分の住んでいるところに避難勧告が出たことを6割近くの方が知らなかったことが明らかになっています.(神戸新聞NEXT平成30年8月5日)避難した8割の人は,土石流発生に気づいて避難したのでした.

同じ日の別の記事では,篠原台の住民の3割が,そもそも自分が土砂災害警戒区域に住んでいるという自覚がなかったことが報じられています.(神戸新聞NEXT 平成30年8月5日「土砂災害警戒区域3割「指定知らず」)

警報が出たさいの避難行動について「逃げない」とよく言われていますが,自分の地域が対象であることを知らなければ,いくら情報が出ていても何の役にも立ちません.まずは,自分の住んでいる地域の危険性をハザードマップなどで理解しておくことが自分や家族の命と財産を守る最初のことだと考えます.

→ 平成30年西日本豪雨での篠原台の災害-1

→ 平成30年西日本豪雨での篠原台の災害-2

→ 平成30年西日本豪雨での篠原台の災害-4

→ 平成30年西日本豪雨での篠原台の災害-5

→ 篠原台研究補論:阪神間モダニズムと住宅地開発

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