平成30年西日本豪雨での篠原台の災害-2
7月5日~6日の状況
豪雨が始まった7月5日から6日の状況について,灘区役所および灘消防にお話をお聞きしました.当日はその日の未明の3時55分に洪水警報および土砂災害警戒情報が気象庁から出され,7時30分には神戸市が避難準備・高齢者等避難開始情報を発令しました.朝9時の段階では成徳小学校に一人避難者が来ているという状況で,大雨への警戒感が高まっていました.
6日の午後15時半頃には,土砂にまみれた茶色い水が篠原台に流れてきたという一報がありました.しかし,この段階では雨は小康状態になっており,危険を脱したかのように見えましたが,夜の20時30分頃,こんどは本当の土石流が篠原台を襲いました.すぐに消防が駆けつけましたが,土石流に阻まれ,なかなか現地にいくことが難しかったということです.その後何度となく土石流が発生しました.その日のうちに5回発生したとの証言をお聞きしました.消防は,危険が差し迫った22名をその日のうちに救出し,頑丈なマンションの2階以上におられ,なんとか安全は確保できるものの夜間の救出はかえって危険と判断できる方々31名は翌日救出しました.これらを雨量グラフとともに示した図です.
このようにして53名が救出されました.土石流の勢いが強かったため8軒が全壊しました.
避難勧告は朝から出されましたが,午後20時半に現地が大変な状況になったため,避難指示は結果的には22時47分と,まさに現地で救出が行われている中での発令となりました.その後,現地では,土砂発生源の状況が不安定であることから,また土石流が発生するかもしれないため,一部の区域を縮小したうえで避難指示区域を継続しました.避難指示は,上流の暫定対策が終了する8月10日まで継続されました.図は,避難指示の区域の変遷を表わしたものです.
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