ライフスポット-2
大容量送水管
ライフスポット-1で紹介しました耐震貯水槽は,配水管の途中に作るもので,利用者はある程度地域が限定されますが,送水管を利用した非常に大規模なシステムとして大容量送水管というものがあります。(水道水を作る「浄水場」から「配水場」まで送る管を送水管,「配水場」から各家庭の前の道路まで送る管を配水管,家の前の道路から各家庭につなげる管を給水管といいます)
神戸の水道は,大部分を淀川水系から調達しています。震災前までは2本の送水管という大きなパイプが六甲山の麓を通って神戸の配水場まで水を運んでいましたが,震災前から老朽化が進行していて,そのままでは点検や工事で止めることもできないため,従来から,もう1本の送水管の必要性が言われていました。阪神・淡路大震災の経験から,同じような場所に送水管が集中していると活断層での地震のために全部被害を受ける恐れもあります。そこで,3本目の送水管を神戸の市街地の地下に通し,かつ,そこに地震時,緊急遮断できるような制御を行い,いざという時には,立坑とよばれる部分から,その下にある大量の水を利用することができるシステムとして整備することになりました。それが「大容量送水管」です.
大震災の翌年度から工事が開始され,平成27年度に東灘区から奥平野浄水場までの延長12.8kmが2.4mという大口径の管で結ばれました.実に,完成まで20年かかる事業でした.計画送水能力は,1日最大40万立方メートルであり,この水を災害時も都心で使えるようになるとともに,もし,送水がストップしても59,000m3が管の中に貯留されていて使えるようになります.
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