リダンダンシー

 この「リダンダンシー redundancy」という言葉は,災害に強いまちを作る復興計画の検討の中で,頻繁に出てきた重要なキーワードです.この英語は,辞書では「余裕」とか「ゆとり」というような意味となっています.

 このリダンダンシーの重要性は,最近も北海道胆振地方の地震で北海道全域の電力がブラックアウトしたことで再認識されました.あのときのブラックアウトは,北海道の電力のかなりの部分を一つの発電所が担っていて,その発電所が地震で機能不全になったことが原因であったことが明らかにされています.

 「リダンダンシー」は「余裕」で、ともすれば「無駄」ともとられかねないのですが、ギリギリの状態に依存していれば、災害時にそれなりの覚悟は必要です。社会が安定的に維持できる程度のリダンダンシーを持つことが大事です。

 ライフラインの専門家は,「リダンダンシー」を「冗長性」という日本語にしていますが,私は,「冗長」が無駄なゆとりを意味しているようであまり使いたくありません.といって,ほかに良い日本語も見つからないので英語で通しています.

 このリダンダンシーの概念をわかりやすくするために,簡単な例を考えてみましょう.図のようにA地点からB地点に行くルートとして青のルートと赤のルートがあるとすると,可能なルートの数は2通りです.
そこに,緑の2本が加わると可能なルートの数はいくつになるでしょうか?実は,わずか2本増えるだけで選択可能なルートは,12通りに増えるのです.もし,あるルートが使えなくなる不測の事態が起こった時に,代替のルートの有無はネットワークにとって死活問題です.そのため,ライフラインのネットワークでは,リダンダンシーが重要になります.

次回は,リダンダンシーの概念を活かして神戸で初めて行われた下水道ネットワークを紹介します.

 → 下水道ネットワーク

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