明石市の藤江地区で面白い取り組みが始まっています.その名も「わが家のぼうさいマップ」.そもそもの発端は,せっかく役所がハザードマップを配布してもすぐにどこに行ったかわからないし,あまり見ない.それよりも,パッと見たら必要な情報がわかる冷蔵庫に貼れるくらいの地図があったらいい,という安全安心部会での意見からでした.

 そこで,それなら自分で必要な事項をマップにして作れないか,ということになりました.安全安心部会のメンバーと話をしながら,こういう感じかな,というようなひな形ができました.以下の項目について順に説明します.
1.地図を準備する
2. 地図と一緒に書いておく情報

1.地図を準備する

 まず,地図が必要です.自分の家と,そこから行く2か所の避難所が入った地図を作ります.避難所を2か所にしているのは,1か所だともし何か通れない事態になったらたどり着けないためです.
 地図は「持ち歩く地図を作る」の「3.地理院地図の画像保存を使う」を参考に作れます.ここでもう一度簡単に手順を紹介します.
1)地理院地図を開き自分の町付近を表示します.このとき右の「機能」→「設定」で中心十字線の+マークを消しておきます.左の「情報」で「ベースマップ」を淡色地図にします.
2)「情報」の一番下に「ベクトルタイル実験情報」があるのでそれを開きます.「地図情報(鉄道中心線)」を選択します.これで線路が緑に,駅が黄色になって駅名も表示されわかりやすくなります.
3)「機能」→「ツール」→「画像として保存」を選択します.「範囲を固定」を選択すると四角形がでますので,印刷したい範囲を指定します.指定したらOKを押します.「ファイルを保存する準備ができました」と出てくるので「画像を保存」します.下図は作成した地図を海岸線に平行になるように回転させたものです.(Sample Mapを右クリック,「リンク先のコンテンツを保存」でダウンロードできます)


sample map

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2.地図と一緒に書いておく情報

1)まちを歩いて情報を調べ書き込む
 地図ができたら,自分の家から,避難所までのルートや家の周辺を歩いて調べたことを書きこんでいきます.作業は家族が協働して行うことで,防災の意識を家族で共有することができます.
①まず,市や県が出しているハザードマップで自分のところにどのような災害が想定されているのかを確認します.そして,洪水で浸水が予想されている場所,土砂災害警戒区域,津波浸水域などが近くにある場合は,書き込んでいきます.

②次にまちの中の危険な場所について考えます.何が危険は,さまざまな視点から考えることができます.例えば,道が狭い,老朽家屋が密集している,というような場合は,地震が起こったらそこは通れないかもしれませんし,火災が燃え広がるかもしれません.高架の橋があったら倒れるかもしれません.川のそばは氾濫の危険があります.まわりより低い場所は内水氾濫の危険があります.ブロック塀は倒れる可能性が高いです.このように,何が危険なのかを歩く前に話し合っておくことが大事です.

③災害の時に役に立つものも探しておきましょう.例えば公衆電話は停電でも使える便利なものです.(「停電でも公衆電話はつながる」
 学校のプールの水や池の水,井戸水などは便所の水として使えます.近所のお家の井戸水は,もしものときに使わせてもらえるようにしておきましょう.
 もし近くにコンビニがあったら,そのコンビニが災害にさまざまな支援をしてくれる可能性があります.(たとえば 「災害時帰宅支援ステーション」 など)また,コンビニやカフェなどではWiFiが飛んでいる可能性があります(災害時に知っておきたい無料の公衆無線LAN、「00000JAPAN」とは?).2019年9月の台風15号により長期間停電している千葉県でもこの無料WiFi00000JAPANが,提供されました.
 自治体では,耐震貯水槽などを整備しています.その場所を知っていれば安心です.(たとえば明石市の耐震貯水槽)また,防災公園として,公園に様々な防災機能を持たせているところもあります.(たとえば明石市の防災公園)このように,災害時に役立つものを事前に見つけて地図に書き込んでおけば役に立ちます.

2)災害時に役立つ情報を書いておく
 地図と一緒に災害時に役に立つ情報を書いておきましょう.いくつか事例をあげます.
①緊急時の連絡先や会えなくなった時の連絡方法
②避難するとき持っていくもののリスト
③停電や断水などの被害状況別の対応

 など,何を書いたらいいか家族で話をしておき,必要な項目を書き込みましょう.このような話し合いをするときに,考えるヒントとなるものがいくつかあります.例えば「東京防災」という本は,地震が起こったらどうなるのかから始まり,避難,避難後の生活,などさまざまなことをイラストとともに紹介しています.これを元に家族と話し合えば,ここに何を書き込んでおくかが見えてくると思います.

3)関連の情報入手先をQRコードとして貼っておく
 ハザードマップは重要ですが,すぐにどこかに行ってしまいますね.しかし,最近はハザードマップなど市や県の情報はネットで見ることができます.そこでそのURLをQRコードにして地図に貼っておくと便利です.この方法ならスマホが使える状況なら見ることができます.

 また,防災公園などが少し遠い場所にあり,地図に入りきらないような場合も,その場所をQRコードにして貼っておけばいつでも確認できます.(地図上の点を共有する方法については「Google Mapとリンクして使う 1」および「Google Mapとリンクして使う 2」を参照してください) 

 QRコード作成については,いろいろな方法がありますが,ブラウザがChromeの場合は,The QR Code Extensionという拡張機能を使えば簡単に生成できます.あるいは「シンプルQRコードメーカー」というサイトは,ブラウザーがChromeでなくても非常に簡単に作成できます.
 例えば,緊急時の安否確認先のリスト,病院などのリストなど,自分の独自のデータをQRコードにしたいという場合もあります.このような場合は,自分のGoogleDriveなどに保存して共有のURLをQRコード化すれば簡単にできます.

 これらを1枚の用紙にまとめます.するとこのような地図と情報のわが家のぼうさいマップができあがります.