布引公園の災害史を歩く-上りコース編

 神戸防災技術者の会が開発した災害を学ぶ現地ツアーコース「布引公園(ハーブ園)の災害史を歩く」を新神戸駅から登って行くコースで歩きました.布引の滝を通り,布引貯水池から,42年災害で廃墟となった集落跡,そして,ハーブ園までの約4kmのコースです.神戸の美しい自然や土木遺産も見ながら歩ける楽しいコースです.

 コース図は下図のようになっています.この図は地理院地図の作図機能で作っていますのでnunobiki course.geojsonをリンクのサイトからダウンロードして地理院地図の上にドロップするだけで再現できます.

 新神戸駅から布引の滝の表示に沿って歩いていきます.雌滝,鼓滝をへて雄滝(おんたき)にでてきます.

雄滝は下に小さな滝があり夫婦滝と言われています.
ここで一句「夫婦滝 下の雌滝は二号さん」(田斎)

 雄滝から,布引貯水池へコースを取ります.布引貯水池は,神戸港の開港で急に都市化した神戸のまちの飲料水を確保するために明治期に作られたもので水を溜めるための五本松堰堤は,日本初の粗石コンクリートアーチダムです.

 ここのすぐ上に上がったところに布引断層の看板があり,その奥の石壁に断層面の露頭があります.よくみると断層面は黒くなっており,断層粘土といわれるものに変質しているのが見えます.布引断層は新神戸駅を斜めに横切っている諏訪山断層のすぐ上にある断層で,地理院地図の色別標高図で見ると明確な断層線を確認できます.現地では池の対岸に断層が続いています.

 ここからはしばらくは,貯水池への源流をたどりながら市ケ原方面に向かいます.市ケ原は,まちから歩いてすぐで,近くまで車道もあることから,春から秋にかけてはハイキングやバーベキューを楽しむハイカーでにぎわっています.桜茶屋を過ぎたところにトイレがあります.そこをさらに進んでいくと,市ケ原集落の跡地に出ます.周辺には,50年前の生活の片りんをうかがわせるものが残っています.そこには,42年災害での出来事を示す看板があります.

 看板の場所から少しだけ戻って「ハーブ園」の矢印の道を上に上がっていきます.途中で右手をよく見ると,42年災害の後建造された斜面防護の擁壁が見えます.すぐに,大きな砂防ダムに到着します.ここは昭和13年の大水害後に県施工で作られたダムです.42年災害の時にはこのダムは既にできていました.

 ダムに出会ったら山道を登って行きます.ここからは,かなり急で細い道を歩くことになります.しかし,信じられないことですが,この道の周辺が実は,ゴルフコースだったのです.

 途中で一か所分岐があります.看板があるので「ハーブ園」と書いてある方に向かいます.新神戸駅をでて,2時間あまりでハーブ園に到着します.

 ここは50年前の災害がうそのような素晴らしい高原リゾートに生まれ変わっていてたくさんの人でにぎわっています.ここで休憩して英気を取り戻したら,ロープウエイで帰ります.ロープウエイの中間駅直前から見たのが下の写真です.当時のゴルフ場の最終コース18番コースの形状が残ったままになっています.このすぐ右手前当たりに入り口とクラブハウスがあったと考えられます.

 以上で,コースの紹介を終えますが,いかがでしたでしょうか?観光を兼ねていくにはとても楽しくかつ学びの多いコースです.お天気の良い日にコース図を片手に皆さん方も歩いてみてください.布引の災害史の詳細については「布引公園の災害の歴史」1,2をご覧ください.

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