重症者数と感染者数の変化をグラフ化

重症者数と感染者数の変化を見える化

 コロナウイルス自体がどんどん変異して、第6波ではオミクロン株が主流になりました。オミクロン株は重症化しにくいのではないかという指摘があります。そこで、新規陽性者数と重症者数の変化をエクセルを使って見える化してみました。

厚生省オープンデータサイトからデータ入手

 まず、データを入手します。入手先は「厚生省オープンデータ」です。ここから「新規陽性者数の推移」からnewly_confirmed_cases_daily .csvを「重症者数の推移」からsevere_cases_daily .csvのデータを入手します。

 このそれぞれのデータから2021年1月以降のAllの項をコピーしたエクセル表(mhlw2DATA.xls)をつくりました。

新規感染者数と重症者数のグラフ

 新規感染者数と重症者数の7日平均を算出しグラフ化します。まず、元になる数字を7日間サマリーして7で割った数字を新規感染者数および重症者数で計算します。一番上の行に例えば、「=SUM(B4:B10)/7」と関数を入れて計算したら、そのセルの右下に+マークがつくのでそれを一番下まで下げると同じ計算が自動でできます。(オートフィル機能といいます)
(参考 「コロナで学ぶエクセル2 簡単な関数と7日平均グラフ」)

 列の左から、年月日、新規感染者数、重症者数と並べて、それらの数表を全部選択してから「挿入」折れ線グラフを選択すると、重症者数は感染者数に比べて相対的に少ないので下図のように下に変化が読み取れない状態で表示されます。

 そこで、その系列のグラフの線をクリックするとアクティブになるので、「右クリック」→「データ系列の書式設定」で「使用する軸」を「第2軸」とします。また、新規感染者数は「右クリック」→「系列グラフの種類の変更」で「棒グラフ」を選択します。以上のような処理をして作図したものが下図です。

 感染者数の増大につれ重症者数も増加していますね。

重症者数と感染者数の比を表示する

 重症者数7日平均の数字をその1週間前の感染者数7日平均との比として算出します。感染して何日で重症化するのかはよくわからないのでここでは便宜的に7日前の数字との比としてみました。日付の列の右に感染者数、その右にその比の関数を計算した表を選択して、「挿入」で折れ線グラフを選択したら、第1軸を感染者数目盛り、第2軸を比の目盛りとして表示し、感染者数を棒グラフに変えると次のような図になります。(作業で使ったエクセルはここからダウンロードできます。)

 このように、第6波では、重症者は全体の感染者数との比でみると少ないことがわかります。だからと言って安心かというとそうではありません。重症者は高齢者に多い(下図)こと、そして、最近の傾向として若年層の増加が顕著で、家庭内感染で高齢者が感染する可能性が高いことなどが指摘されています。また、重症化率については、「重症者に数えられるのは人工呼吸器や集中治療室(ICU)に入る人で、これに当てはまらない人が、肺炎ではなく基礎疾患で亡くなっている」として必ずしも統計的に正しく反映されていないという指摘もされています。(東京新聞2022年2月27日「<新型コロナ>第6波「致死率」が「重症化率」上回る 医学的には重症なのに…「軽症」扱いで亡くなる高齢者相次ぐ」)新型コロナへの注意を継続していくことが重要です。

 →「コロナで学ぶエクセル 1 累計のグラフを作る

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