波の性質を知って遊ぼう

 お盆休みで海で遊ぶことも多いと思います. しかし,台風10号が近づいてきています.そこで,台風が起こす波の性質を知っておいてください.

<うねり>
 波は, 風がビュッと息を吹きかけると海面に起こります.吹き続けられれると波はどんどん大きくなります.「風浪」(あるいは「風波」)です.しかし,波は一度起こるとそのまま遠くに運ばれていきます.これが「うねり」です.ですから,風がない場所でも,その遥か彼方で強風が吹いている場合は,波がやってきます.

<波は複雑なスペクトルの集合体>
 風は気まぐれなので,強く吹くときもあれば弱く吹くときもあります.その都度起こる風の周期は異なります.また,うねりとなってやってくる波の方向もまちまちです.波と波が重なると波が消えてしまうことがあります.これが「減衰」です.あるいは,仲良くなって大きくなることがあります.これが「共振」です.波は伝わる中で,減衰や共振を繰り返しています.そのため,単純な波長の波とは言えず,周期の異なる各種の波の複合体なのです.
 すなわち,波と言っても,その中には大きな波や小さな波,向きの少し違う波などが入り混じっています.

<小さな波の中にも大きな波が混じっている>
 そのことがわかると,波は,一見小さいからと言って安心してはいけないことがわかります.波は,大小さまざまなものの複合体です.私は,若い時に,波の観測をするアルバイトをしたことがあります.望遠鏡で遠くのブイに照準を合わせ続けるのですが,非常に骨の折れる仕事でした.このときにできた波の軌跡は波が複雑な形状をしていることを気づかせてくれました.
 波がこのような性質を持っているために,「波の高さ」をあらわす場合は,統計的な処理が必要になります.それを「有義波高」と言います.有義波高とは,ある一定の時間(たとえば20分間)波を観測した高さを高い方から順に並べて,上から3分の1の高さをいいます.全くの平均値ではなく,少し高い値です.しかし,それでも,有義波高よりも高い波は3分の1あり,最大の波は有義波高の倍を超えるようなものも含まれます.

<流れにも注意>
 波が海岸にやってくると,浅くなるにつれ急激に地面との摩擦が強くなって波の形が立ってきます.そして,波が大きい場合は,ある角度以上になると砕けてしまいます(砕波).このようにして海岸では波が砕け戻っていきます.この波の性質があるからこそ,サーフィンが楽しめるわけですが,少し注意が必要です.沿岸には,地形に応じて流れがあり(沿岸流),それが沖へと向かう流れの場合は,次の波に乗って帰ってくるというようなことができないケースがあります.遊んでいる場所での沿岸流を注意深く観察することが重要です.

海で遊ぶ場合は,
・風がなくても遠くからやってくること,
・同じようなものばかりではなく,大きなものが時折混じっていること,
・その地域特有の沿岸流によって,帰ってこれなくなる可能性があること,

など,波の特徴をしっかり理解しておくことが重要です.

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