自分で作る防災マップ 1
これまで「地図で防災」というシリーズで,地理院地図を中心に防災に活用する方法を学んできました.次は,その知識をもとに自分で「防災マップ」を作りましょう.
自分の住んでいるまちの防災を考え,いざという時に役に立ち,今後の備えにも役に立つ地図を作っていくには,何が必要でしょうか?災害は,さまざまなハザードが人間社会を襲うときに,ハザードの方が強大で,人間社会の方が脆弱な場合に発生します.しかし,人間社会のほうもこれまで様々な災害を克服してきた歴史を持っているので,災害に対しての備えや対応策を持っています.
ということは,防災マップに必要な情報とは,
1.その地域に固有のハザードを知っておく
2.そのハザードに対して地域の脆弱な部分を知っておく
3.災害に対する備えや工夫,地域の強みを知っておく
ということになります.防災マップに必要な要件とは,それらを地図で表し,自分や,家族や,まちの人たちが理解し,それをもとに行動できるものにすることです.
まず地域のハザードマップを理解する
防災マップづくりの第1歩は,地域のハザードがどのようなものがあるかを知っておくことです.災害が多発する日本で多い災害は,地震・津波,台風や豪雨災害(土砂災害,洪水,内水氾濫,高潮,高波,強風),そして火災です.
これらの頻発する災害に対しては,地域ごとにハザードマップが公開されています.しかし,ハザードマップについては,これまでの調査によると,見たことがある人もあまり多くはなく,たとえ見たことがあっても,それを十分理解しているかというと,見た人が全部理解しているとは言えない状況です.(たとえば「平成30年西日本豪雨での篠原台の災害-3」をご覧ください)まず,自分の地域のハザードマップを入手し,それをきっちり理解することからスタートしましょう.
ハザードマップの入手方法
ハザードマップは,たいていの場合,そのまちの市町村のホームページに最近は掲載されるようになりました.例えば兵庫県では「兵庫県CGハザードマップ」というすぐれたマップが提供されています.しかし,なかなかそれを見つけるのもむつかしいという場合があります.そこで国土交通省が公開している「重ねるハザードマップ ~自由にリスク情報を調べる~」が入り口としては非常に便利です.ここは地域の様々な種類のハザードマップを簡単に見ることができるポータルサイトです.
ここにアクセスすると次のような画面が開きます.
そこで上の検索欄に検索したい地名を入れて(とりあえず寝屋川と入力してみました)虫眼鏡マークを押してみます.そうするとその地域の地図(ここでは寝屋川の地図)が開き,左でハザードの種類が選べますので「洪水」のボタンを押すとこのようなハザードマップが出てきます.地図のズームは自由にできます.
この右にある「危」ボタンをいったん押してから知りたい地点に左クリックすると,下図のように浸水深さや地形的な特徴など詳しい情報が表示されます.(「危」ボタンは元の場所に戻してもう一度押すと消えます)
また,右の機能の中には地理院地図と同様に,計測機能や作図機能もあります.これらの使い方は地理院地図と同じです.地理院地図操作マニュアルの13頁以降をご覧ください.
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