防災リテラシー考 Ⅰ

 防災リテラシーと一口で言うとわかったような気になりますが,実は非常に難しいです.例えばここ数年流行語にもにた言葉「線上降水帯」とか「バックビルディング」.
下記のページでは,線上降水帯について知っておくべき最低限が書かれています.

https://samurainokokoro.com/2017/07/08/線状降水帯とは?原因やバックビルディングを気/

しかし,これでは本当の理解は難しいように思います.一方,こちらはもう少し詳しく解説されています.

https://weathernews.jp/s/topics/201707/070145/

また,気象庁では,積乱雲から出てくる風についての説明もあります.

https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/toppuu/tornado1-1.html

 しかし,私としては,これらの説明よりももっと根本的な説明が欲しいと思いますし,すくなくともそのように話そうと思ってやっています.
 この現象の鍵は,積乱雲というのは内部で上昇しながら凝結熱を発して成長している雲が,その結果上昇気流がささえきれずに雲を形成している氷粒が雨粒となって落ちていくときに発生する融解熱による冷却のために,雲の周囲に下向きに吹き出てくる風があること,そして,一方で,雲そのものを運ぶ上空の偏西風があることです.普通なら偏西風が積乱雲を運んで行ったら,その場所の雨はそれで終わりですが,気象条件によっては,積乱雲が去っていくところ(Back)に暖かい湿った風が来るような場合は,雲のうしろから吹き出す冷たい風と反応して上昇気流が発生して,新しい積乱雲ができてしまい(Building),その繰り返しで結局同じ場所に積乱雲が居続けることになるのです.そのことが理解できたら,この現象のかなりのことをしっかり理解できるのではないかと思いますが,実際には,そのことをどう理解させるかって,結構難しいんですよね.
 なお,2018年の西日本豪雨も,地域ごとに見れば,このバックビルディングの発生によるものとされています.

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